2025.10.01

本邦航空会社初、マスバランス方式を採用したバイオマス素材の貨物固縛用ストレッチフィルムを導入

~環境配慮素材を配合し、CO2排出量を年間約50トン削減します~

リリースの概要

・日本国内の空港で貨物の積み付けや保管時の固縛に使用するハンドリング資材として、本邦航空会社で初めて*1)マスバランス方式を採用したバイオマス素材のストレッチフィルムを導入します。
・これにより、ストレッチフィルム使用に伴うCO₂排出量を年間約50トン削減することが可能です*2)。

JCH写真.jpg
     ストレッチフィルムの使用イメージ

新規ストレッチフィルム写真(DWI社 2025-08-12).jpeg
      今回導入するストレッチフィルム

 JALグループは、日本国内の空港で貨物の積み付けや保管時の固縛に使用するハンドリング資材として、本邦航空会社で初めてマスバランス方式を採用したバイオマス素材のストレッチフィルムを2025年10月以降、順次導入します。
 マスバランス方式は、従来の製造方法と比べて原料不足の懸念が少なく、かつ従来の石油製品と同等の物性を実現することができ、また大規模な設備投資が不要です。今回、マスバランス方式を採用したバイオマス素材のストレッチフィルムを使用することで、CO₂排出量を年間約50トン削減することが可能です。
 JALグループでは、新規石油由来の使い捨てプラスチックの削減を目指しており、貨物事業では環境配慮素材*3)が配合された資材を使用し、限られた資源の有効活用と環境負荷の低減に取り組んでいます。今回のストレッチフィルム導入により、中期経営計画ローリングプラン2025で掲げている貨物資材への環境配慮素材配合100%を達成します。

ストレッチフィルムのバイオマス化.PNG

【マスバランス方式とストレッチフィルムについて】 *5) 
 マスバランス方式とは、製品の加工・製造過程において複数の原料を混合する際に、原料の混合量に応じて製品に各原料の特性を適切に割り当てる方式です。これにより、現行の石油由来原料100%のストレッチフィルムと同等の品質をもつフィルムの製造に際し、バイオマス素材を割り当てることが可能となります。加えて、ストレッチフィルムに配合されるバイオマス素材はSAF製造時に副産物として得られるバイオマスナフサを原料としており、限られた資源を最大限有効活用しています。

 今回のストレッチフィルムは、マスバランス方式によってバイオマス100%が割り当てられた素材(ポリエチレン)を製造し、この素材を約25%相当配合しています*6)。成田空港のJALカーゴサービス・JALカーゴハンドリングにおいて、従来と同等のハンドリング品質が確保できることを検証し、導入を決定いたしました。

【ストレッチフィルム製造協力会社】 
三井化学株式会社、株式会社プライムポリマー、株式会社タニックス、司化成工業株式会社

 JALグループは、これからも限りある資源の有効活用と環境負荷の低減に努めるとともに、お客さまへ高品質な貨物郵便ハンドリングサービスを提供してまいります。

*1)三井化学株式会社調べ
*2)当社の年間ストレッチフィルム使用量に基づき三井化学株式会社において試算
*3)バイオマスなど新規石油由来の原料を低減したアイテム
*4)三井化学株式会社作成資料
*5)参考:環境省バイオプラスチック導入ロードマップ(https://www.env.go.jp/recycle/plastic/bio/roadmap.html
*6)ISCC PLUS認証を取得したマスバランス方式によるプライムポリマー社製バイオマス・エボリュー
 (https://www.primepolymer.co.jp/)    

以上